axela
出典:http://www.mazda.co.jp/cars/axela/

海外でも高い評価受けているマツダが主力モデルであるアクセラのビッグマイナーチェンジを行い、7月14日に販売を開始した。

今回のビッグマイナーチェンジの目玉となるのは、従来のアクセラには設定がなかった1.5LのSKYACTIV-Dエンジンの搭載で、デミオやCX-3に搭載されている実績のあるクリーンディーゼルエンジンがラインナップされたことです。

新しくラインナップされた1.5LのSKYACTIV-Dエンジンの燃費性能なども気になるところ。

他にも、マツダの先進技術の搭載もありますので、変更点を探っていきたいと思います。

新型BM5FPアクセラのスペック情報

  • 全長×全幅×全高(mm)
    4470x1795x1470
    4470x1795x1480
    4580x1795x1455
    4580x1795x1465
  • 最高出力(馬力)
    99~175
  • JC08モード燃費(km/L)
    17.8~30.8
  • 駆動方式
    FF/4WD
  • 排気量(cc)
    1496~2188
  • 乗車定員
    5名

注目の1.5ℓディーゼルターボモデル

1.5Lskyactiv
出典:http://www.mazda.co.jp/cars/demio/feature/skyactiv/skyactiv-d/

マツダが誇るクリーンディーゼルエンジンで、今回ラインナップに追加されることになり、最も注目されているのが1.5ℓディーゼルターボモデルです。

従来のラインナップでは、ディーゼルエンジンの設定では2.2L DOHCデーゼル直噴ターボエンジン(SKYACTIV-D 2.2)のみだったが、クリーンディーゼルのラインナップが2種類となりマツダの販売戦略の上でも有効となる。

気になる燃費性能はJC08モードで21.6Km/Lとなる。

ただ、残念なのがアクセラスポーツのみに設定となりセダンには設定がないことで、販売戦略上も少し弱い感は否めない。

今後、セダンにも追加されるのか注目となる。

ナチュラル・サウンド・スムーザーを搭載

ディーゼルの弱点として、振動とノック音などの問題があります。

新型アクセラは、このディーゼルエンジン特有のノック音を低減させるシステムであるナチュラル・サウンド・スムーザーを搭載して、車内に伝わりやすい不快なノック音などを制御することにより、より、心地良いドライビングが可能となった。

既に、主力車種であるデミオ・CX-3などには搭載されていたが、今回のモデルチェンジを機にアクセラにも搭載されることになった。

新型アクセラの動力性能と安全性能

2016年7月14日にモデルチェンジを経て販売されたアクセラですが、安全性能の面でも大きな変更点がありました。

「エンジンでシャシー性能を高める」新技術G-ベクタリング コントロール(GVC)や、MAZDA PROACTIVE SAFETYの思想が生んだ最新の先進安全装備「i-ACTIVSENSE」。

気になる走行性能や安全性能には、どのようなマツダテクノロジーが投入されたのでしょうか?

新技術G-ベクタリング コントロール(GVC)を採用

G-ベクタリング コントロール
出典:http://www.mazda.co.jp/beadriver/dynamics/skyactiv/gvc/

新技術G-ベクタリング コントロール(GVC)とは、横方向と前後方向の加速度(G)が別々に制御されていたものを統合的にコントロールすることで、スムーズで効率的な車両挙動を実現するために4輪への接地荷重を最適化する制御技術のことです。

マツダがこだわりを持って取り組んできた人馬一体、すなわち統一感をテーマにするものですが、機械である車を再優先に考えるのではなく、人間中心の開発思想に基づいて開発され「人間を中心に、人間の特性に基づいてクルマがどうあるべきかを考える」という開発哲学に基づいて進められてきました。

要約すると「エンジンでシャシー性能を高める」となり、人間と車の一体感が生まれ運転する上での自信や快適性につながり、長距離運転での疲労軽減にも繋がる重要な技術となります。

G-ベクタリング コントロール(GVC)作動イメージは、下記の画像を見ることによってわかります。(画像はアテンザのもの)

G-ベクタリング コントロール(GVC)
出典:http://www.mazda.co.jp/cars/axela/feature/driving/skyactiv-vd/

「人馬一体」と「走る歓び」

スカイアクティブテクノロジー
出典:http://www.mazda.co.jp/cars/axela/feature/driving/skyactiv-vd/

エンジン、トランスミッション、ボディ、シャシーなどのスカイアクティブ テクノロジーの個々のユニットを統合的に制御。

マツダの提供価値の根幹である人馬一体の走行性能をさらに高める新世代車両運動制御技術、それが「SKYACTIV-VEHICLE DYNAMICS(スカイアクティブ ビークル ダイナミクス)」です。

最新の先進安全装備i-ACTIVSENSEとは?

i-ACTIVSENSE
出典:http://www.mazda.co.jp/cars/axela/feature/safety/i-activsense/

マツダの安全思想は、走る歓びは安全の上に成り立つがテーマとなっています。

車の運転に対して、まずは、安全性が確保されていることが前提であるとのマツダの思想が生み出した7つのテーマの総称がi-ACTIVSENSEです。

運転中に起こりがちな疲れや見落とし、誤操作などを未然に防止しドライバーを支援する安全機能です。

アダプティブ・LED・ヘッドライト(ALH)

夜間の視認性を確保するのに重要なハイビームですが、対向車が来る場合などにはロービームに切り替えたりする操作が面倒でもあります。

そこで、今回の新型アクセラでは、ストレスや不安を感じることなく運転できるようにALHを搭載。

左右4ブロックずつに分かれたLEDを自動で個別に点灯・消灯できるようにして、ハイビームを照射範囲をきめ細かくコントロールできるグレアフリー(防眩)ハイビームとし、ロービームでは広い範囲を照射する単眼式を採用して、周囲に配慮も考慮された夜間走行時のいち早い危険認知をサポート、昼夜を問わず快適なドライビングを楽しめるようになりました。

アドバンスト・スマート・シティ・ブレーキ・サポート(アドバンストSCBS)&AT誤発進抑制制御(前進時)

アドバンストSCBS
出典:http://www.mazda.co.jp/cars/axela/feature/safety/i-activsense/

SCBS

先行車や前方の歩行者をフロントガラスに設置したカメラで検知し、自動的にブレーキをかけて衝突回避をサポート、もしくは衝突による被害の低減を図る安全機能です。

衝突の危険性が高い状況下でブレーキペダルを踏んだ場合にも、ブレーキが即座に強い制動力を発揮できるようになっています。

対車両では約4~80km/hの走行時、対歩行者では約10~80km/hで衝突の危険性を判断します。

AT誤発進抑制制御(前進時)

前方に停車している車や障害物があるケースで、アクセルが一定以上に踏み込まれた場合に警報と同時にエンジン出力を抑えて急発進を抑制する安全機能です。

(約10km/h以下での徐行前進や停車時)

SCBSR:スマート・シティ・ブレーキ・サポート(後退時)&AT誤発進抑制制御(後退時)

SCBSR

リアバンパー中央部の2つの超音波センサーで障害物を捉え、衝突の危険性を判断。自動ブレーキをかけて衝突の被害を軽減します。

(約2~8km/h以下で後退時)

AT誤発進抑制制御(後退時)

後方に障害物があるにも関わらず、アクセルが一定以上に踏み込まれた場合に、警報と同時にエンジン出力を抑えて急発進を抑制します。

(約10km/h以下での徐行後退や停車時)

リアパーキングセンサー

近距離の静止物をリアバンパー両端の2つの超音波センサーで検知して警報音でドライバーに知らせる機能です。

スマート・ブレーキ・サポート(SBS)

新型アクセラは、アドバンストSCBS共用のカメラと、遠くまで高精度で検知できるミリ波レーダーで先行車を捕捉している。

先行車との車間距離を計測、基準値に達した時点で通常の運転操作で衝突を回避できるタイミングで警報(前方衝突警報(FOW))で知らせ、さらに車間距離が短くなると軽いブレーキを発動する。

衝突が避けられない状況では強いブレーキでさらに減速し、衝突時の被害軽減や衝突の回避をサポートします。(約15km/h以上で走行中)

交通標識認識システム(TSR)

tsr
出典:http://www.mazda.co.jp/cars/axela/feature/safety/i-activsense/

走行中にカメラで制限速度、進入禁止、一時停止の交通標識を読み取る機能でその情報をアクティブ・ドライビング・ディスプレイに表示する。

制限速度を超過した場合、ディスプレイ内に表示したグラフィックの点滅とブザーでドライバーに警告、安全運転を促します。

ブラインド・スポット・モニタリング(BSM)&リア・クロス・トラフィック・アラート(RCTA)

BSM

死角となりやすい後方からの接近車両を知らせる安全機能です。

リアバンパーの内側に設置したレーダーで隣車線上の側方および後方から接近する車両を検知すると、検知した側のドアミラーの鏡面に備えたインジケーターの点灯でドライバーに通知。

その状態でウインカーを操作するとインジケーターの点滅と警報音で警告し、車線変更の中断を促します。

(約15km/h以上での走行時)

RCTA

視界の見えにくいバック時の支援機能。

後退時にリア・クロス・トラフィック・アラート(RCTA)機能として作動し、駐車場からバックで出庫する際などに接近する車両を検知して警告し、衝突や事故の原因と成り得る場面で安全確認をサポートします。

レーンキープ・アシスト・システム(LAS)&車線逸脱警報システム(LDWS)

レーンキープ・アシスト・システム(LAS)

LASには2つのモードがあり「逸脱回避支援」または「ライントレース」のいずれかを選択可能、いずれも約60km/h以上で走行中、フロントガラスに設置したカメラで車線の区画線を認識します。

「逸脱回避支援」は、注意力の低下などによるドライバーの無意識な車線逸脱を防ぐため、逸脱が予測される時に車両を元の位置に戻すようにステアリング操作をアシストします。

「ライントレース」では、ドライバーの負担を軽減させるため、車線の中央を維持しながら走るようステアリング操作をアシスト。さらにコーナリング時には、道路の曲率に合わせた操舵角へと導くことで安心の走りをサポートします。

車線逸脱警報システム(LDWS)

車線のはみ出しを警告する安全機能です。

ステアリング振動またはランブルストリップス音やビープ音によって車両が車線を踏み越えそうである時に警告する。

逸脱の方向を直感的に判断できるように、ランブルストリップス音は右側の車線を踏み越えそうになると右側のスピーカーから鳴る(左側は左側のスピーカーから)ようになっている。

ドライバー・アテンション・アラート(DAA)

疲れの蓄積や注意力の低下などによる事故の抑制を図るシステムです。

エンジン始動後、車速が65km/hを超えるとシステムが作動し、疲れていない状態でのドライバーの運転とクルマの動きを学習する。

その後の運転の様子により、学習したデータと実際の運転状況に大きな違いが出ると、メーター内のマルチインフォメーションディスプレイ(MID)に休憩を促すマークを表示するとともに、警報音でドライバーに通知して休憩を促します。

ロングドライブなどの場面で活用できる安全機能です。

マツダ・レーダー・クルーズ・コントロール(MRCC)

先行車との速度差や車間距離をミリ波レーダーで認識。

長距離走行などでのドライバーの負担を軽減する機能で、約30~100km/hの範囲で先行車との車間を維持しながら追従走行を可能にする機能がMRCCです。

新型アクセラのエクステリアの変更点

アクセラ
出典:http://www.mazda.co.jp/cars/axela/feature/design/

今回のモデルチェンジでは、1.5リッターのディーゼルエンジンのラインアップの追加と、新技術G-ベクタリング コントロール(GVC)を採用などの安全などの機能の変更点が多く、エクステリアの変更点は少なく目立たない状況です。

フロント周りでは、グリル内に収まったマツダエンブレムやグリルのメッキトリムのラインの位置の変更、長方形に変更されたリアのリフレクターのデザインなど細かい点のみの変更となり、スタイリングの変更には重点を置かなかったことがわかる。

安全性能や機能面での性能アップにかけたマツダの方針が感じられる。

インテリアの変更点は?

インテリア

アクセラインテリア
出典:http://www.mazda.co.jp/cars/axela/feature/interior/

内装のデザインというよりは、交通標識認識システム(TSR)や電動パーキングブレーキの採用などの機能面の変更点が注目されています。

従来のレバー式から電動パーキングブレーキに変更となったSKYACTIV-D 2.2搭載車では、カップホルダーがシャッター付きとなり、フェイクレザーパッドがセンターコンソールに採用されるなど高い質感となっています。

先行して採用されていたアテンザに近いデザインとなっています。

スポーティさと高級感のバランスが高い次元で達成されているインテリアは、座り着心地もよく新技術G-ベクタリング コントロール(GVC)や最新の先進安全装備i-ACTIVSENSEと相まって快適性が優れている室内空間となっています。