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買う方が安く買えて、売る方も高く売ることができるということで、車やバイクの個人売買が注目されています。

お金にならないと思っていた車やバイクを知人や友人がほしいと言ってきたのを切っ掛けにして、折角だから知っている人に売って乗ってもらいたいな、と、思うこともあると思います。

ですが、相手が免許取得中などで免許を持っていない(無免許)場合には、車やバイクを売ることはできないのでしょうか?

また、このような状況で、無免許である相手に車やバイクを売ることは違法なのでしょうか?

無免許の相手に車やバイクを得る行為に問題がないのか調べてました。

免許証の有無と売ることの関係

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車やバイクを公道上で運転するには免許証が必要ですよね?

当然ですが、無免許で公道上を運転する行為は犯罪ですので罰せられます。

ですが、免許証の有無と車やバイクの売買とは無関係です、ですので、無免許の相手に車やバイクを売ることには違法性はありません

なぜなら、その車やバイクを無免許で運転するという行為は購入者が判断するからであり、売った人とは無関係であるからです。

だから、車やバイクを売った事自体には違法性はなく罪にも問われません、ですが、無免許の相手に車やバイクを売るということには慎重になるべきだとも言えます。

その理由を、いくつかあげていきたいと思います。

無免許運転の幇助罪の危険性

幇助(ほうじょ)罪とは、違法であることを認識した上で違法性のある行動を見過ごすことです。

つまり、今回の無免許の件では、相手が無免許であるにもかかわらず、運転するのをやめさせなかったり、注意しなかったり、見過ごしたりすることです。

罪に問われないとしても無免許の相手に車やバイクを売った時に、その場から運転して帰ろうとしたのを見過ごしたりした場合は無免許運転の幇助罪になる可能性があるということです。

このような個人売買のケースで売り手になる場合は、必ず、売買契約書などを作成して、その項目の中に免許を取るまで公道上を運転しない、と、いうような文言を記載しておくと良いです。

そうすれば、その後に相手が無免許の状態で事故やトラブルを起こしたとしても、それは、購入者が判断して無免許で起こしたトラブルとなるので、あなたには無関係であることが証明されます(後述しますが、名義変更が正しく行われていることが前提です)。

個人売買を行うならば、これくらいのことは当然で、より、慎重に売買契約を結ぶべきです。

相手の事故が自分の責任に!?

このトラブルは、実は、現実に起こっているケースです。

でも、本来ならば、あなたは相手に車やバイクを売ったのですから関係ないはずですよね?

では、どうしてこうなったのかというと名義変更がされていない前の事故だったからです。

とかく、友人や知人に車やバイクを売るとなると気が緩みがちですが、名義変更は必ず行ったことを確認しなければいけません。

もっと、慎重になるのならば、名義変更前に車を引き渡してはいけません。

これは、私自身も過去に個人売買を2度経験して、その2度ともで名義変更がスムーズにいかなかった経験から申し上げることですが、個人売買では最も大きなリスクだといえるでしょう。

今思えば、過去の私も浅はかであり、たまたま、事故やトラブルに巻き込まれなかったから良かっただけで、このようなトラブルに巻き込まれる可能性だってあるのです。

ですから、個人売買で売る側になる時には

1:名義変更前に車両を渡さない
2:車両を引き渡す際には、必ず、支払いも同時に行う(現金で支払ってもらうことが前提)
3:免許証を取得するまで公道上を運転しないと約束させる
4:これらの事項をすべて書面にする

上記の4つは、絶対に書面にして残すべきですし、支払いもその場で現金で行うべきです。

知人や友人だと油断していると、思わぬしっぺ返しを喰らいます。

その時に後悔しても遅いのです。

税金の支払い通知が自分の元に来た

これも、よくあるケースで、名義変更が行われていなかったので起こったトラブルです。

例にあげますが、車の税金の一つである自動車税は”毎年4月1日午前0時の時点で自動車の所有者、もしくは使用者に対し 課税がなされる税金”ですので、売約した年の4月1日までに名義変更が行われていないと、車を譲渡したにもかかわらず、自動車税はあなたが支払うこととなります。

これを防ぐには、必ず、名義変更ができたかどうかを確認しておくことです。

無免許でも所有者や使用者になれる

このように、無免許の相手に車やバイクを売ること自体に違法性はありません。

ですので、無免許の人であっても車検証上の所有者にも使用者にもなることが可能です。

例えば、ご親族の方の送迎で使う車の名義が自分のものであったが、事情があって、所有者と使用者の名義をご親族の方に変更するなどの手続きも可能ですし、何も、免許証がなくては所有者にも使用者にもなれないなんてことはありません。

これは、他にも例を出すと、法人名義の車両とかでもそうですね。

法人名義で車両を取得するわけですから、法人名で免許証を取得することはできないですよね。

ですので、当然ですが、免許証の有無は関係ないわけです。

個人名義でも法人名義でも、車の売買に免許証の有無は関係ありません。

注意!違法性があることも!

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車やバイクを売ることに免許証の有無は関係なく無免許の相手に売ることに違法性がないとしても、これらの行為は、あなた自身の判断が違法となり罰せられますので注意しましょう。

1:運転させた、もしくは、見過ごした

当然ですが、無免許の相手に車やバイクを売るにとどまらず「少し運転してみたら?」などと言って、無免許の相手に運転させたり、運転しているところを見ているのに注意や制止をせずに見過ごしたりする行為は幇助罪に当たります。

ですので、あなた自身が罰せられます。

2:車やバイクに同乗した

飲酒運転でもよく言われますが、自身で運転するという行為だけでなく相手が違反しているのに、その車やバイクに同乗する行為は違法性が高く罰せられます。

同乗するということは、相手が無免許であることをわかっていて同乗(見過ごし、容認)しているということですから、当然ですが罰せられます。

無免許の人とわかって運転している車に同乗することは、絶対にやめましょう。

3:車両を提供した、貸して運転させた

無免許の相手に車を売ること自体は違法ではないのですが、例えば、売る前提で話しが進んでいる相手に少しの距離だからと運転させたり、無免許と認識していて車両を貸したりする行為は罰せられます。

貸すだけでは罪にはならないこともありますが、その相手が無免許で運転する可能性を認識していたとして判断されても仕方がないということです。

もし、無免許の相手に貸し与えて、その後に事故などのトラブルが発生してしまった場合に名義変更が行われていないと、民事上の賠償責任は現所有者であるあなたとなります。

現在では、自転車事故でも多額の賠償金が発生する世の中となっていますよね。

売るとわかっていても名義変更を行う前には、絶対に車両を貸すなどの行為はしないようにしましょう。