車を購入する時と維持する時に頭を悩ませる原因となるのが自動車税や自動車重量税です。
ですが、高額となる日本の車関係の税金は、ナンバーを変更することにより負担を軽くすることができます。
今回は、5ナンバー乗用から4ナンバー小型貨物へと変更する際に必要な手続きの方法と、車のネックである維持費を減らす方法を調べました。
目次
5ナンバーを4ナンバーにすることによるメリットとは?
出典:http://www.nissan.co.jp/AD/index.html
前述しましたが、5ナンバーから4ナンバーへ変更すると自動車税や自動車重量税の負担が軽減されます。
これは、用途が乗用から小型貨物に変更されるためで、自家用車から事業用の車への変更と判断されることにより税負担の軽減が図れます。
ですが、小型貨物に分類されることによる副作用としてのデメリットもありますので、構造変更後の状態も加味してトータルしてメリットがあるのかどうか考えなくてはいけません。
負担減の効果は?5ナンバーと4ナンバーの維持費用の違い
自動車税
- 5ナンバー
34,500円 (2年間で69,000) - 4ナンバー
8,000円 (2年間で16,000円)
差額:53,000円
自動車重量税
- 5ナンバー
24,600円 - 4ナンバー
8,800円 (2年間で17,600円)
差額:7,000円
自賠責保険
- 5ナンバー
27,840円 - 4ナンバー
14,840円 (2年間で29,680円)
差額:-1,840円
検査印紙代
- 5ナンバー
1,100円 - 4ナンバー
1,100円 (2年間で2,200円)
差額:-1,100円
車検整備費用(目安)
- 5ナンバー
35,000円 - 4ナンバー
35,000円 (2年間で70,000円)
差額:-35,000円
合計金額の差額
- 5ナンバー
157,540円 - 4ナンバー
135,480円
合計金額の差額:157,540円(5ナンバー)-135,480円(4ナンバー)=22,060円
5ナンバーを4ナンバーにする際のデメリット
4ナンバーの車を直接購入するのとは違い、5ナンバーを4ナンバーに変更するには構造変更をする必要があります。
内装の設備の一部を取り外し、荷室としてのスペースに規定の広さを確保するようにしなければならないため、5ナンバーの車の改造が必須となります。
構造変更というのは元の装備を外したりする必要もあるわけですから、乗り潰すつもりで構造変更を行うことに決めていればよいのですが、不意に処分する必要が起きた時にリセールバリューは著しく低下するので売るに売れない状況となることもデメリットの一つ。
ですので、維持費のみで安易に判断するのではなく構造変更後の用途も考えて結論を出すようにしましょう。
下記に主なデメリットを記載します。
5ナンバーの方が価値が高いと判断される
4ナンバーにすると定員減員となるなどの構造上不利になることが多くなります。
ですので、7~8人タイプの車であれば元々4ナンバー登録の車の設定がある車種もあるので、4ナンバーにする予定の方は最初からそちらを購入することをおすすめします(ハイエースなど)。
ただ、バン設定のないミニバンタイプの場合は構造変更をして4ナンバーにする他ない車種もありますので、その場合は構造変更によるナンバー変更をするしかない場合もあります。
ですが、その場合は前述したとおりリセールバリューは著しく下がるので売却の時には買い取ってもらえないケースもあると思っておいたほうが良いでしょう。
車検が1年に一度になるので面倒
3ナンバーから1ナンバーに変更した際と同様、車検が一年ごとのなるデメリットがあります。
車検はまとまったお金の支出を考えなくてはいけないので、できれば減らしたいことの一つだと思います。
過去には、10年時以上経った車が強制的に一年車検になっていた時期がありましたが、そのように1年車検が強制的だった時には4ナンバーにする旨味がありましたが、現在は廃止されていますので旨味はあまりありません。
車検は車を持っていることで起きる面倒なことの一つですから、それが強制的に1年毎になってしまうのは大きなデメリットと言えます。
思ったより効果が低い!?
確かに、車に関わる税金面では大きく差が開く5ナンバーと4ナンバーですが、前述しているケースでは車検が1年毎になる費用がプラスとなった分を大きく損なっています。
3ナンバーから1ナンバーにするメリットと比較すると、金額面でも2万円ほどの差しかなく、7~8人乗りの車でサードシートを外す必要があるような車種の場合はデメリットが大きすぎる気がします。
3ナンバーから1ナンバーの構造変更の例では、自動車税のみで14万円強の差が付いていますので結果的に大きな差額が出たのですが、5ナンバーから4ナンバーに構造変更する場合はそこまで大きな差額が出ないことでデメリットが際立ってしまうということもあります。
わざわざこのような構造変更をするまで行うメリットが少ないとも言えるでしょう。
貨物の定義
- 乗車設備の床面積より、積載設備の床面積の方が大きいこと
- 貨物の床面積が1m×1m以上あること
- 荷室と乗車設備の間に適当な隔壁又は保護仕切りがあること
(最大積載量500kg以下の場合は座席の背当てでも可) - 運転席より後方に人を乗せる場合、その人よりも貨物の重量の方が大きいこと
- 貨物の積み卸し部分の寸法が80cm×80cm以上あること
定員減員
- 5ナンバー
サードシートを含む乗車定員7~8人。 - 4ナンバー
サードシートを含む乗車定員7~8人の車ではサードシートを外す必要がありますので、乗車定員は5人となり定員減員となります。
7~8人乗車から5人乗車となるため定員減員となる。
セカンドシートのリクライニング
- 5ナンバー
セカンドシートは自由に使用可能 リクライニングも可能 - 4ナンバー
セカンドシートのリクライニング機能は不可 固定するように変更する
荷室のスペース確保のため、セカンドシートはリクライニングは不可となる。
最大積載量の表示
- 5ナンバー
不要 - 4ナンバー
車体のリアに最大積載量の表示をする
最大積載量を表示するためにシールなどを貼り付ける。
5ナンバーから4ナンバーへの変更手続き
5ナンバーから4ナンバーへの構造変更手続きは、管轄の陸運局で行います。
5ナンバーから4ナンバーへ変更するには車検上の用途の記載が乗用から貨物へと変更となります。
それと、通常の車検とは異なり事前に書類審査を受ける必要があります。
構造変更の審査を受ける場合は、構造変更を行った日より15日以内に受ける必要があると言われていますので、15日間の猶予期間内に構造変更の審査を受ける必要があります。
書類審査を受けるために提出する書類は以下のとおりとなります。
- 自動車検査表
- 申請書(第1号様式)
- 申請書(第2号様式)
- 自動車重量税納付書
- 手数料納付書
- 点検整備記録簿
4ナンバーへの変更ができる車種は限られている?
5ナンバーから4ナンバーへの構造変更ですが、一昔前はクーペなどもできたそうです。
ですので、1年車検が強制的だったころは今では構造変更が認められないクーペタイプでも4ナンバーへの変更が可能だった例もあり、初年度登録から10年以上経った車を4ナンバーにすると費用面で大きな効果がありました。
しかし、現状では強制的な1年車検もなくなりましたし、さらに、初度登録年が平成11年7月までの車でしか構造変更を受けられないとも言われていて構造変更が難しくなっているとも言われています。
これは、税金の軽減のみのために4ナンバー登録するケースが増えたため規制が厳しくなったと言われています。