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車を運転している我々ドライバーにとって、最も気を付けなくてはならないことの一つが交通事故です。

交通事故を起こしてしまうと場合によっては、刑事処分や行政処分を受けなくてならないケースも出てきます。

起こしてしまった交通事故の大きさにもよりますが、事故のケースによっては懲役刑や逮捕・拘束されることがあるのも交通事故の刑事処分としてあり得ることです。

では、交通事故を起こしてしまった場合における刑事処分を受けるケースとは、どのような場合なのでしょうか。

交通事故における刑事処分について調べました。

物損事故か人身事故なのか

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交通事故において、刑事処分を受けるか受けないかの境界線となるのが、その事故が物損事故なのか人身事故なのかということがあります。

物損事故とは、車対車の事故でも軽度のものでドライバー同士にケガなどがなく、車や物が破損した場合の事故のことを言います。

反面、信号待ちの車に追突したり、歩行者や自転車やバイクとの事故、車対車でも事故の規模も大きく車が横転してしまうような事故で、事故当事者のドライバーが怪我を負ってしまったケースなどを人身事故といいます。

物損事故は、原則、刑事処分となることはありません。

ですので、交通事故において刑事処分を受けるのは、主に、人身事故が絡んだ交通事故となります。

ただし、物損事故でも刑事処分を受ける場合もある

ですが、物損事故ならば、すべて刑事処分を受けないわけではありません。

交通事故を起こして物損事故のみの場合でも、建造物損壊、いわゆる家屋やビルに損害を与えるなどした場合には刑事処分の対象となる場合があります。

自動車事故のニュースで、トラック運転手などが突き当りの家の塀を破損して中の家屋まで深く突っ込んでしまうような大きな事故が放送される時ってありますよね?

このようなケースでは、人身事故が絡まなくても刑事処分を受けることもあります。

道路交通法では、以下のように定義されています。

他人の建造物又は艦船を損壊した者は、5年以下の懲役に処する。よって人を死傷させた者は、傷害の罪と比較して、重い刑により処断する。

物損事故にも民事責任はある

ただし、当然の事ながら物損事故であっても民事責任は発生します。

ですので、車対車の軽度な事故であっても加害者側と被害者側に分かれる以上は、その当事者同士の過失割合を元にした賠償責任は発生しますので、当然、民事責任は発生します。

この時、物損事故では対人専用となる自賠責保険は使えないので賠償責任を負ってしまった場合は任意保険を使って賠償するか、自ら賠償するかのどちらかとなります。

このような物損事故には自賠責保険が使えないというのは覚えておいたほうが良い知識となります。

人身事故を起こしてしまった場合の刑事処分

前述したとおり、物損事故においては、原則、刑事処分とはならないケースが大半を占めます。

ですので、 物損事故の場合は事故としての記録は残るのは当然のことですが、行政処分の対象とはならないですし、免許更新時の判断における無事故無違反が適用されるということです。

つまり、人身事故を起こしてしまうようなケース以外は無事故無違反ということであり、無事故の定義は人身事故がゼロだという意味です。

人身事故での刑事処分は事故がどういうものかで決まる

ただ、人身事故にも事故の大きさや程度などの規模によって刑事処分の条件も変わります。

通常の走行でも起きてしまうことのある人身事故もあれば、暴走行為などによる悪質な人身事故もありますし、そのような状況で事故を起こして死亡事故などとなると、より、重い刑罰が科せられることもあります。

そのような行為を元にした人身事故には、危険致死罪や業務上過失致死など、より重い刑が科せられるケースも多々あります。

上記のような人的な事故への影響も大きい要素ですが、交通事故における刑事処分は事故の度合いで決まる面が大きいです。

交通事故の規模の大きさと刑事処分の関係について、最後にまとめます。

交通事故の規模と刑事処分、付加点数について

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交通事故を起こした場合、ドライバーが有する免許の点数より基礎点数が減らされることになります。

それにくわえて、人身事故の場合は負傷した人の怪我の度合いや、その事故の規模自体で基礎点数とは別に付加点数というものがくわえられます。

基礎点数とは、信号無視やスピード違反、通行禁止違反、追い越し違反などがあげられます。

規模の大きい人身事故の場合は、これからの基礎点数に加えて付加点数というものがくわえれ、免許停止や免許取り消しの対象となる場合もあります。

事故の大きさ・規模付加点数刑事処分の参考・目安
死亡事故20点

7年以下の懲役刑
禁錮刑

専らの原因で治療3ヶ月以上の重症事故
または、特定の後遺障害を伴う事故

13点

懲役刑・禁錮刑及び
罰金刑500,000円

専らの原因で治療期間30日以上
3月未満の重傷事故

9点罰金刑300,000~500,000円

専らの原因で治療期間15日以上
30日未満の軽傷事故

6点罰金刑200,000~500,000円

専ら以外の原因で治療期間15日以上
30日未満の軽傷事故

4点罰金刑150,000~200,000円

専らの原因で治療期間15日未満の軽傷
事故又は建造物損壊に係る交通事故

3点罰金刑200,000~300,000円

専ら以外の原因で治療期間15日未満の軽傷
事故又は建造物損壊に係る交通事故

2点罰金刑120,000~150,000円