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交通事故を起こしてしまった場合、相手方への損害賠償の責任を負うこと以外に、交通事故の規模やケースによっては刑事処分と行政処分を受ける場合があります。

車対車の事故やガードレールや電柱への衝突、外壁や家屋の破損など、交通事故にはあらゆるケースが考えられます。

それと、歩行者や自転車、車への衝突でもそうですが物損事故だけではなく人身事故へ発展するような重大な交通事故などもあります。

物損事故などでは刑事処分や行政処分を受けないことも多くのケースでありますが、では、交通事故を起こして行政処分を受けるようなケースとは、どのような事故を起こしてしまった場合なのでしょうか。

今回は、交通事故を起こしてしまった場合に、行政処分を受けることとなる事故のケースを調べました。

行政処分を受けるような事故は重大な事故だけ?

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交通事故は、車の車体をガードレールなどにこすってしまったりしてボディを傷つけてしまうような軽度な事故もあれば、交差点での信号無視や横断歩道を歩行中の歩行者をはねてしまうような大きな事故まで様々なケースがあります。

交通事故は大きくわけて、ガードレースや電柱などを建造物や、車対車の事故で車同士を破損してしまうような物損事故と、被害者がいる人身事故のケースとに別れます。

この内、原則、物損事故に関しては行政処分は行われないことになっています。

被害者がいる人身事故であることが前提で行政処分は行われます。

ただし、物損事故でも行政処分を受けることはあり得る

このように、原則、物損事故には行政処分は行われませんが、もちろん、例外となるケースもあります。

例えば、物損事故であっても民家の家屋まで破損してしまうような大きな事故や当て逃げなどのケースです。

スーパーやショッピングモールなどの大きな駐車場では、駐車スペースがギリギリしかないような駐車場もあります。

そのような駐車場で、隣の車にぶつけてしまったのに放置してしまったり、路上駐車の車を破損させるような運転をしていた場合に放置してもそうですし、事故後の処理をしないでその場を去れば当て逃げとされることもあります。

「物損事故の場合の危険防止等措置義務違反(当て逃げ)」に関しては、軽微な物損事故であれば安全運転義務違反の基礎点数2点にくわえて付加点数5点が加算される行政処分が行われます。

飲酒運転などの事故もそうで、飲酒運転をしながら物損事故を起こして放置した場合にも当て逃げとなり、この場合は酒気帯び運転や酒酔い運転で13~35点の基礎点数に、先ほどの「物損事故の場合の危険防止等措置義務違反(当て逃げ)」の付加点数5点で、一発で運転免許の取り消しとなります。

その他にも、無免許運転も厳罰が厳しく、交通違反の罰則に係る点数は25点となり飲酒運転などと同等に重い罪となります。

人身事故は行政処分の対象となる

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物損事故とは対称的に、人身事故を起こしてしまった場合にはほとんどのケースで行政処分の対象となります。

車対車の事故であっても、信号待ちで停車中の車に追突してしまったり、交差点での大きな事故などの場合は人身事故に繋がる可能性が飛躍的に高くなります。

それと、物損事故とは異なり人身事故の場合は、刑事処分もされますし行政処分の対象にもなります

人身事故を起こした時の行政処分

物損事故とは違い、人身事故を起こした場合は規定の基礎点数に、加害者側のドライバーの不注意の程度と被害者の負傷程度により、付加点数が追加されます。

運転免許証の点数方式というのは減点方式ではなく、このように累積方式で処分が決定します。

例えば、あなたの持ち点6点に対して人身事故を起こした累積点数が8点となった場合は、初犯では免許停止処分となります。

このように人身事故を起こしてしまった場合は、以下の表のように定められています。

安全運転義務違反 基礎点数2点

上記の安全運転義務違反の基礎点数に、人身事故の度合いや規模により以下の付加点数が加算されます。

※専ら(=運転者の一方的な不注意によって発生した場合のことを指す)

※専ら以外(=被害者にも過失があった場合のことを指す)

 不注意の程度被害者の負傷状況付加点数免停・免取の別
 死亡事故 専ら 20点 免取
 専ら以外 13点 免停90日以上
 重傷事故3ヶ月以上 専ら 13点 免停90日以上
 後遺障害あり 専ら以外9点 免停60日以上
 重傷事故30日以上 専ら 9点 免停60日以上
 3ヶ月未満 専ら以外 6点 免停30日以上
 軽傷事故15日以上 専ら 6点 免停30日以上
 30日未満 専ら以外 4点 免取・免停なし
 軽傷事故15日未満 専ら 3点 免取・免停なし
 建造物損壊事故 専ら以外 2点 免取・免停なし

ただし、人身事故を起こした現場を放置し警察への事故の届け出などを怠った場合は、さらに、措置義務違反が付加点数として追加されます。

措置義務違反35点

人身事故の事例1

住宅街の信号のない小さな交差点を左折しようとしたところ、飛び出してきた歩行者と接触して怪我を負わせた。

被害者のケガは軽微なものだが、全治2週間の通院が必要となった。

事故後に最寄りの警察へ連絡、示談交渉もスムーズに行った。

安全運転義務違反(基礎点数):2点+軽傷事故15日未満(専ら以外):2点=反則点数4点

人身事故の事例2

見通しの良い直線道路で歩行者をはねてしまったが、怖くなり現場から逃走。

被害者を放置したまま帰宅してしまった。

被害者は重傷となり事故自体も重傷事故と認定され、被害者は3ヶ月以上の入院を余儀なくされ、足が不自由となってしまった。

安全運転義務違反(基礎点数):2点+重傷事故3ヶ月以上後遺障害あり13点+措置義務違反35点=反則点数50点

運転免許証は取り消しとなり、初犯であれば再取得の欠格期間は6年となります。

人身事故には重い行政処分が行われますが、措置義務違反(ひき逃げ)となれば、さらに厳しい処分が下るのは当然といえば当然です。

人身事故となれば誰だってパニックになりますし逃げたくなる人もいるかもしれませんが、人身事故を起こしてしまった場合は被害者の救護が最優先ですので、ひき逃げは言語道断、絶対にしてはいけない行為です。

行政処分を受けるのは人身事故であるかどうか

物損事故においては行政処分を受けることは原則ありません。

前述したとおり、無免許運転であったり、車対車だとしても当て逃げをしてしまうようなことをすると事件性が出てきますので、物損事故の規模や程度によっては刑事処分も受けますし、もちろんのこと行政処分もあり得ます。

人身事故の場合は、物損事故とは異なり行政処分の対象となります。

前述した表でも確認できますが、軽度の事故であっても基礎点数の安全運転義務違反以外にも、交通事故の規模や被害者の怪我の程度などにより、付加点数が定められています。

ですので、物損事故のように交通事故の規模も軽度で、加害者側と被害者側の示談が済んでいることによって行政処分を受けないというよなことは人身事故にはありません。

結論としては、人身事故を起こしてしまった場合は行政処分を受けることとなりますし、物損事故に関しては、原則、行政処分を受けることはないということになります。